子育て中のお母さんであれば、生命保険販売のお仕事、いわゆる生保レディのお仕事勧誘を受けた経験がある方も多いのではないでしょうか?
私も産後、子どもを連れていると、駅、公園、ハローワーク前で「一緒にお仕事しませんか?」と声をかけられました。
妊娠を機に仕事を辞め、専業主婦をしながらもいつかは働きたいと思っていた私は、勧誘される度に頭を悩ませ、「営業ってキツそう」とは思いながらも「嫌ならすぐ辞めよう!」という気持ちで生命保険業界に飛び込みました。
多くの生命保険会社が、福利厚生として家庭と仕事の両立支援を全面にアピールしていますが、私は一年間勤務してみて、小さい子どもを育てながらの生保営業の仕事は、かなりハードだと感じています。
やりがいは強く感じるものの、周りの理解と育児協力は必要不可欠で強いメンタルと学習意欲も求められるお仕事です。
今回は、私が当時2歳の息子のワンオペ育児をしながら一年間生保レディとして勤務して感じた辛いこと、楽しいこと、そしてどんな方に生保レディのお仕事がおすすめかご紹介させていただきます!
- 生保レディに声をかけられ、興味はあるけど「実際どうなの?」と思っている人
- 子育てしながらできる仕事を探している人
生保レディの辛いポイント
まず、毎月、目標達成=ノルマのプレッシャーが精神的に襲いかかってきます。
アポがとれない、成績が取れない日々が続いてくると、「強制では無いけれど、土日は電話がつながりやすいから試してみて。」「強制では無いけれど、平日の19〜20時頃は電話がつながりやすいから試してみて。」とアドバイスされます。
私の夫は不定休で帰りも遅く、土日平日関係なく2歳児のワンオペ育児をしている私にとって、このアドバイスはかなり無理難題。
「強制では無いけれど」このフレーズもまた、心に重くのしかかってくるのです。
もしも、目標達成できなかった場合は、減給となります。
最初の数年は給与保証があるものの、安定した毎月の給料確保のためには子どもとの時間を削ってでも仕事を優先させなければならない場合もあるでしょう…。
よく生保レディのママ友などからイベントなどに勧誘されるのは、集客ノルマがあるからなんですね〜
基本的に個人で行う仕事なので、子どもの体調不良や、保育園からの急な呼び出しに対しては臨機応変に対応しやすいです。
ただ、お客様とのアポがある時は、最悪の場合、お客様へ日程変更をお願いしなければならないこともあります。
私の場合は、近くに子どもの世話をお願いできる親戚もおらず頼れる先が無いため、お客様に事情をお話しして日程変更をお願いしたことも何度かあります。
優しいお客様ばかりで、感謝です…!
また、同じように子育てをしながら働いている人が大半のため、周りの目を気にする事なく、子どもの体調不良などの場合は比較的休みを取りやすい環境かと思います。
だが、しかし…!
子育て世代に理解があるので、保育園が家庭協力日でお休みの日などは、子どもをオフィスに連れてきている人も結構います。
それが当たり前のような感覚もあり、私は職場に子どもを連れていきたくないと思っていたので有給を申し出ても、「〇〇さんは、その日、息子くんと一緒に出勤するって言ってたよ〜」なんて言われることもありました。
それに加え、その月の成績が目標まで達していない、そして、その見込みもない!なんて状況の時には、有給を申し出るにも「休んだ分、どこで取り戻すの?」という上司からの強いプレッシャーに打ち勝たねばなりません。
「営業」という職業柄、成績取ってナンボ!は当たり前でしょうが、子どもの体調不良で休まざるを得ない時はなかなかツライ…。
生保レディの楽しいポイント
既にご契約のあるお客様へのアフターフォローがメインの業務ですので、何十年もご契約を継続いただいているご高齢の方や、30〜40代の子育て世代の方、50〜60代の老後資金が気になる方など、幅広い年齢層のお客様とお話しさせていただきます。
平日の日中にお目にかかりやすいご高齢の方からは、「あなたみたいな方とお話できて楽しかったわ」とおっしゃっていただき、励ましていただくこともあります。
子育て世代の方であれば、「なるべく保険料を抑えたいけど、何かあったときのことを考えると不安」や、お子様が独立された方であれば、「これからは自分の老後が心配。今の保障内容のままでいいのだろうか」などお客様によってお悩みは様々です。
ご要望をじっくりお伺いしながら、プランを作成し、お客様にご納得いただきご契約いただきます。
ヒアリングやプラン作成は、簡単なことではありませんが、「しっかり話を聞いて一緒に考えてもらえて嬉しかったです」とおっしゃっていただいた時には、お客様のお役に立つことができたと実感します。
生保レディにおすすめな人
どの生命保険会社の生保レディの求人を見ても、子育てや介護など、家庭と仕事の両立サポートを全面にアピールした内容が多い印象ですが、先述の通り、毎月の目標達成のためには土日出勤や勤務時間外のお客様対応も必要です。
そのためには、子どもが小さいうちはやはり周りの理解と協力が必須です。
土日にしか会えないお客様が大半ですので、私は土曜日も保育園を利用したり、日曜日に夫が休みであればここぞとばかりにアポを入れたり、工夫していました。
また、勤務時間外にお客様から携帯に電話がかかってきたり、逆に夜に連絡してほしいと時間指定されたこともあります。
ワンオペ育児の私にとって平日の20時頃の電話対応は至難の技…!
身近に子どもの世話をお願いできる人がいる方や、ある程度子どもが自立して手が離れてきた方であれば、時間のやりくりをうまく行いながら仕事とプライベートの両立は可能かと思います。
現在取り扱っている商品知識だけでなく、過去の販売商品についての知識も必要になりますし、保険商品販売のための資格試験も受験しなければなりません。
また、令和2年12月に、金融庁から生命保険の営業職員が顧客に保険商品を勧める際、公的保障について適切に情報提供を行うように求める指針が発表されました。
つまり、公的年金の仕組みや高額療養費制度についてなど公的保障の知識も正しく身につけて、お客様にご説明できなければなりません。
これからは、生保レディ一人ひとりのマネーリテラシー向上が求められると同時により一層質の高いコンサルティング力が求められます。
社内研修のみに留まらず自身の学習意欲が必要になってくるのではないでしょうか。
まとめ|働く目的を明確にしましょう
どんな仕事にも、働く人にとって良い面と悪い面はあります。
私にとっては辛いポイントや楽しいポイントも人によってはその逆に感じられることもあるでしょう。
また、今は辛いと感じることも長年続けていく中で、自分にとって最適な取り組み方が見つかるかもしれません。
どちらにせよ、私は、「働く目的」を明確にして仕事を始めることが重要ではないかと思います。
とにかく生活費を稼ぐことが一番の目的なのか?
正社員で福利厚生が充実していることが大事なのか?
一体、何のために働いて、どんな仕事をすることで自分自身が満たされるのか?
仕事だけでなく家事も育児も担わなければならないお母さんは、何を第一優先に働きたいのか?ということも働く上で大事なポイントではないでしょうか。
私自身は、働く目的をあまり真剣に考えられていなかったが故に、働くことが自分自身の首を絞めているような感覚に陥りました。
家庭保育に限界を感じ、一日でも早く社会と関わりたいと焦る気持ちで、生命保険業界に飛び込んだあの時の決断を全く後悔していないとは言い切れません。
しかし、この仕事を選んだからこその学び、様々なお客様や上司、同僚との出会いの中で、人としてとても成長できたと感じています。
何事も経験に勝るものはありません。
この記事がこれから社会復帰や転職などを考えているお母さんたちが、家庭と仕事を楽しく両立するための何か参考になれば嬉しいです。